以前の記事でも触れたように、香港では昨年、現地制作のヒット映画が多数出るなど、映画業界が復興しつつある。しかし、安心してばかりもいられないようだ。すでに香港の映画検定を通り、プライベート上映も行われていた、「あのディズニーキャラクター」をベースにした映画の配給会社が、公開日直前になって上映中止の決定を下したというニュースが流れた。(フリーランスライター ふるまいよしこ)
「プーさん」のホラー映画が、
香港で突然上映中止に
3月下旬、香港で久しぶりに香港映画を見まくって日本に帰ってきたら、香港で会ったばかりのIからメッセージが届いた。「な、言っただろ?」。
メッセージに添付されていたのは、英国B級映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey』(『くまのプーさん:血と蜜』、以下『血と蜜』)の配給会社が、香港での公開上映2日前になって突然、同作品の上映中止を決定したというニュースだった。
この作品は、誰もが知っているディズニーのアニメ「くまのプーさん」を下書きに製作された。仲良しだった少年ロビンが成長してくまのプーさんとブタのピグレットが暮らす森にやってこなくなり、「捨てられた」という思いの2人(2頭?)がその後野生化して人を襲うというストーリーらしい。もちろん、ディズニーの原作とは何の関係もないため、作品ではディズニーの権利を侵害しないようさまざまな工夫が凝らされていて、見慣れたプーさんの姿は出てこない。それでも、観客に簡単に「あの」プーさんをイメージさせる作りになっているという。