「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリとビジネス実務部門賞をダブル受賞した『佐久間宣行のずるい仕事術』。人気プロデューサー・佐久間宣行さんが20年以上かけて磨いてきた「誰とも戦わずに、好きなことで、効率的に成果を出す方法」を伝授する本書に、絶賛の声が多く寄せられた。
そこで、受賞を記念して、その悩み「佐久間さんに聞いてみよう」をテーマに、仕事にまつわる悩み・質問を大募集。本連載では、職場の人間関係やメンタルの改善、就職・転職活動に今すぐ役立つ、佐久間さんの回答を公開します。(構成/根本隼)

「会社に重宝される人」と「替えがいくらでもいる人」の決定的な差

Q. 会社で「尖った存在」になりたいです

質問者:20代男性
――自分を信じて1つのことを突きつめていける人が、世の中で成功しているように感じます。僕は社会人6年目ですが、「自分はこれがやりたいんだ!」とピンと来るものが見つからず、1つのことにこだわれません。

 会社の中で“尖った存在”になるためにはどうしたらいいでしょうか。

少しだけ「難しめ」の仕事にトライしてみよう

佐久間さんからの回答↓
 自分の「得意」を見つけるには、ときに「背伸び」も必要だと思います。

 今できることだけを繰り返しても、自分の才能や意外な強みに気づくことは難しい。できることをするのは楽だし、質や精度も上がるから評価もされる。でも、自分の可能性は広がりません。

 本当は「弓」や「槍」の使いが得意かもしれないのに、早いうちからひたすら「剣」を磨くことに時間を費やしてしまうのはもったいない。

 だから、まだ自分の得意がわからないなら、難しめの仕事にどんどん手を挙げるといい。「やってみる?」と振られた仕事も、ひとまず引き受けてみればいいと思いますよ。

 その理由は2つ。

(1) 自分の得意、不得意を知ることができるから。
(2) 社内に顔を売ることができるから。

 ここではとくに「社内に顔を売る」というのが、大きなポイント。いろんな仕事をすれば、それだけいろんな部署、年次の人とつながれます。

 ここで少しでも「個」を出した仕事ができれば、将来的にその人と仕事をするとき「あのときのヤツだ」と認識してもらえることになる。そこでしかつかめない人脈を逃す手はありません。

キャリアを左右するのは「得意」があるかどうか

佐久間さんからの回答↓(続き)
 ちなみに新しいことにチャレンジをするときは、すごく勉強(調べる・聞く・手を動かす)することが大事。努力もするし、結果に責任も持つ。それではじめて、自分とその仕事との相性がわかってきます。

 こうした背伸びやチャレンジは、できれば、20~30代前半までにたくさん経験しておきたいですね。自分が持っているものと持っていないもの、鍛えるべきところ、諦めるべきところ。それがわからないまま中堅になると、ただの交換要員になるからです。

 RPGでいうと中盤までしか使われないキャラクター。「使い勝手はいいけれど、突き抜けた長所のない人」ができあがってしまいます

 チャレンジは、すればするほど「自分の解像度」が上がっていきます。背伸びを繰り返すことで、新たな強みや新たなスペックを手に入れてください。

(本稿は、ダイヤモンド社の公式Twitterアカウントで募集した「あなたのその悩み、 佐久間さんに相談してみませんか?」キャンペーンに寄せられたお悩みをもとにした『佐久間宣行のずるい仕事術』グランプリ受賞記念連載です)