ロシアでは定期点検に必要な部品やソフトウエア、技術を入手できない状態の民間航空機が数百機に上っていることが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析で明らかになった。業界や規制当局の間で安全性への懸念が高まっている。米国と欧州はウクライナに侵攻したロシアに制裁や輸出制限を発動し、民間旅客機に必要な部品やサービス、技術の流入を阻止する措置を取った。それでもロシアの航空会社は運航を続けており、国内線の需要が高まる中、昨年の搭乗者数は約9500万人に上った。ロシアの現役航空機696機のうち、米ボーイング製と欧州エアバス製は約77%を占める。ロシア中央銀行の昨年12月の発表によると、国内旅客輸送量の97%を欧米製の航空機が担った。