春と秋が消えた「二季」のいま、なんだか調子が出ないこと、ありますよね。そんないま大きな注目を集めているのが「薬膳」です。でも「薬膳ってまずそう」「めんどくさそう」と思っていませんか? 『あした元気になれる二十四節気の薬膳カレンダー』(ダイヤモンド社)では、伝統的な薬膳の知恵を現代のライフスタイルに落とし込み、誰でも気軽に試せる身近な食材を使った食べ方を提案。地球温暖化があっても変わらない、太陽の動きに合わせた暦「二十四節気」を軸に、季節ごとの食の知恵を紹介していきます。

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いつものごはんやおやつに、少し薬膳の視点を加えるだけ

 特別な漢方食材を買わなくても、私たちの身の回りには、薬膳になる可能性を秘めた食べ物があふれているのです。

 大切なのは、「これはダメ」「あれは体に悪い」と決めつけることではなく、いつ、どんな気分で、どんな食べ方をするか? を少しだけ意識してみること。

 いつものごはんやおやつに、ほんの少し薬膳の視点を加えてみるだけで、疲れた心と体が「あれ、ちょっとラクかも」と感じる変化が必ず訪れます。

好きなものこそ、いまのあなたの味方

 体によいとされていても、どうしても苦手な食べ物ってありますよね。

 薬膳では、苦手なものを無理して食べる必要はありません。

 私たちの体はとても正直で、いま必要としているものを「食べたい」というサインで教えてくれます。

 好きなもの、おいしいと感じるもののなかに、その時期のあなたを支えてくれるヒントがちゃんとあります。

 薬膳には、栄養学のようなカロリー計算も、「○○を食べなくては」という義務もありません。その日の体調・気候・季節に合わせて、やさしく食事を“カスタマイズ”していく食養生です。

 ですから、同じ人でも、体調や気分によって食べたいものが変わるのはごく自然なことです。

 その変化こそ、体の声であり、あなたを元気にする道しるべです。

「それだと栄養が偏るのでは?」と心配になるかもしれません。でも、体の声と二十四節気のリズムを重ねて食べていると、ビタミンやミネラルなどの栄養素も、不思議と過不足なく整っていきます。

 薬膳とは、「これを食べなきゃいけない」ではなく、“いまの自分に合うものを選ぶ”やさしい食べ方。その積み重ねが、あしたの元気、心の軽さ、体の巡りに、大きな違いを生み出してくれるのです。

【コレを食べたいときの体の状態】

 肉が食べたいとき
 体を温める力が足りず、エネルギー(気)が不足しているサイン。
「元気をつけたい」「力を出したい」というとき、自然と肉のパワーを体が求めるようになります。

 魚が食べたいとき
 “水(潤い)”の巡りが乱れている状態。
 乾燥して潤いが不足しているときも、むくんで重だるいときも、魚介類の潤いを与えて巡りを整える作用を体が欲します。

 甘いものが食べたいとき
 胃腸(脾)の働きが弱り、気力がダウン。
 疲れたときに甘味を求めるのは、体が“気を補いたい”というサインです。
 元気が戻ると欲求は自然に落ち着きます。

 辛いものが食べたいとき
 気血(生命エネルギーと血液)の巡りが滞り、冷えやコリが溜まっている状態。
 辛味は巡りをよくし、温めて発散させるため、流れを変えたいときにスパイスや辛い料理を求めるようになります。

 すっぱいものが食べたいとき
 体を引き締める力(収れん)が弱っているサイン。
 汗が出やすい、疲れが抜けない、だるいなど、“ゆるみ”を感じると酸味を欲するようになります。

 香りが強いものを食べたいとき
 ストレスや考えすぎで気が滞っている状態。
 しそ、みょうがなどの香味野菜は気を発散し、柑橘類は内側から気を巡らせます。
 心が重いときほど香りの力が役に立ちます。

 苦い野菜が食べたいとき
 余分な熱やモヤモヤが溜まり、心が落ち着かないサイン。
 苦味は熱を冷まし、気持ちを静めます。

 子どもが苦味を避けるのは、体がまだ熱やストレスをあまり抱えていないためとも言われています。

※本稿は『あした元気になれる二十四節気の薬膳カレンダー』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。