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ビジネスにおいて感情を豊かに表現できることは、人間関係を円滑にする対人スキルと言える。印象良く会話を弾ませるために欠かせない「うなずき」「相づち」「リアクション」の重要性を、フリーアナウンサーが伝授する。本稿は、庄司麻由里『顔で話せ!相づちで話せ!質問で話せ!―こじらせない対人関係術』(時事通信社)の一部を抜粋・編集したものです。
うなずくと
相手は安心して最後まで話す
「聞き上手」になるために、一番大切なのは、
・うなずき
・相づち
・ リアクション
です。
人は誰でも話をしているときに、「あれ?私の話、聞いてくれているかしら?」「自分の言ってること、通じているのかな?」と不安になったり、「自分の話に相手は興味を持ってくれているのかな?」と気にしたりします。
そんなときに相手がノーリアクションだと、どうでしょう……。
人間は無反応な人には話を続けられません。実際には、まったく無反応で人の話を聞く、というようなことはないでしょう。ですが、日本人は全体的に控えめな“はにかみ文化”なので、人の話を聞いているとき、反応が乏しく、大きくうなずく人が少ないのです。
例えば、欧米人などは「オーマイゴッド!」と天を見上げてみたり、両手を出して肩をすくめ、横目になり舌を出してみたり、身振り手振りも大きくオーバーリアクションの人が多いですよね。
「相手と会話を弾ませたいな」と思うなら、このうなずき、相づち、リアクションを、いつもより3~4割増しぐらい大きめに取ってください。
実はこれは、アナウンサーがインタビューをするときの“基本の基”なんです。
私たちアナウンサーは、さまざまな職業の人にインタビューします。相手が、例えば大学の先生や医者、弁護士など、普段仕事で話すことに慣れているはずの人であっても、大きなテレビカメラが目の前にあり、ライトがこうこうとたかれると、10人中9人が、カーッとあがってしまい、しどろもどろになります。
そんなとき、私たちインタビュアーはすかさずカメラの横に立ち、大きく深くうなずいたり、相づちをうったり、全身を使ってリアクションを取ります。すると皆さんだんだん乗ってきて、冗舌にお話ししてくれます。
まず、うなずき。
「人の話を聞くときには、うなずきながら聞きましょう」と申し上げると、「うなずくと、その人の話に同意していることになってしまう。同意できない話だった場合に困る」ということをおっしゃる人がいます。
特に男性に多いです。
ですが、うなずく行為は、「あなたの話に同意します」という意味以前に、
「あなたの話を聞いていますよ」
「あなたの話を理解していますよ」
というメッセージを相手に伝える効果があるのです。
その話に同意できるかどうかは、最後まで聞いてからでないと判断できませんよね。
まずは、相手に最後まで話してもらうためにも“うなずき”は必要です。
相手に「もっと話したい」
と思わせる相づち
そして、相づち。
皆さんは、どんな“相づち”を打っているでしょうか?
「はい」「うん」「ええ」「そうですね」「はぁ」あたりが基本の相づちだと思いますが、私はインタビューのときは、あえて「へー!」「ふーん」「なるほど!」「そうなんですか!」という相づちをよく使います。
この相づちには、相手の話に「興味を持つ」「驚く」「感心する」という気持ちが込められます。
だって逆の立場になって考えてみてください。
自分の話を、興味を持って、驚きながら、感心して聞いてくれる相手には、もっともっと話したくなりますよね。
さらに、話を弾ませるために大いに役立つ相づちは、相手の話の先を促す相づちです。
「それで?」
「それで、どうなったの?」
「それで、どうなったんですか?」
これらの相づちを上手にはさむと、相手の話の背中を押すことにつながります。
さて、もう一歩相手との距離を縮めたいときに使うと効果的なのは、
「分かる、分かる」
「いっしょ、いっしょ」
「あるある」というような、相手の言葉に同調する相づちです。
街で一般の人にインタビューするときなど、短い時間内でできるだけ心を許して話してもらいたいときに、私は積極的に、この「分かる、分かる」「いっしょ、いっしょ」という相づちを使います。
例えば、中年のビジネスマンに「最近、何か『これって老化現象かな?』と思うようなこと、ありましたか?」と聞いたとして、
「うーん、そういえばこの間、娘の小学校の運動会で走ったら、なんか足がもつれちゃって……」
と話し出してくれた人に、
「まぁ、それではさぞや、お嬢さんがっかりしたでしょうね」
と言ったら、そこで話は終わってしまいますよね。
そんなときには、
「あぁ、分かります、分かります!自分では足を上げているつもりでも、上がっていなかったりするんですよね!転んでしまったなんて方も多いみたいですよ。皆さん、いっしょですね……」
などと答えれば、
「うん、それからね……」と話が続いていきます。
こうやって同調することが大切なのは、「相手を恥ずかしい思いにさせない」「相手を孤立させない」ためです。
「こんなことを言って、変な人だと思われないだろうか?」
「こんなことを思うのは、自分だけではないだろうか?」
という不安は誰にでもあるものです。







