「将来のお金が不安」「貯金や投資の余裕なんてない」「罪悪感で買い物を楽しめない」──​どうすればお金に悩まされず、毎日を過ごせるか? その答えを提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラー『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』がついに日本に上陸した。Amazon.comでは10,000件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと実践者が増えている。ケチケチ切り詰めないし、買い物もガマンしない。お金への意識を変え、行動を学ぶだけで、誰もがリッチな毎日を送ることができる。本稿では本書から一部を特別に公開する。

痩せられない人とお金を増やせない人に共通する1つの口グセPhoto: Adobe Stock

「体重」と「お金」の共通点

 かねてから不思議に思っていたことがある。どうして大学を卒業してから、多くの人がぶくぶく太るのだろうか?

 病気にかかっている人ではない。いたって健全な普通の人が年齢を重ねるにつれて、脂肪を体にまとっていく。学生時代はあんなにスリムだったのに、自分は絶対に太らないと断言していたのに、多くのアメリカ人が不健全な太り方をするのだ。

 本書の第1版を執筆してから10年が経った。体重と健康は、世間で最も関心が高い話題となっている。そのため改訂作業の際には、冒頭の文章は削除した方がいいのではないかというアドバイスをいただいた。

 ただ、これまで栄養学やフィットネス、お金について自分自身で独学し、体験を重ねてきたことで、体重とお金には共通する部分が多いと実感するようになった。

 いずれも、自分自身の意志で確実にコントロールできるものだ。

 体重は一朝一夕に増えるものではない。もしそうなら、私たちはすぐに気づき、何らかの手を打つはずだ。職場まで車で通勤し、1日8~10時間、パソコンの前に座っている間に、少しずつお腹にまとわりついてくるものだ。サイクリストやランナー、アスリートであふれていた大学のキャンパスを一歩出て、実社会に出た瞬間、その変化は起こり始める。

痩せられない人は、結局同じことを言っている

 どうすればダイエットできるのか、友人に話題を振ってみてほしい。彼らの口からは次のような言葉が出てくるはずだ。

「炭水化物は控えないと!」
「寝る前に食事をしちゃダメだ。寝ている最中、脂肪は効率よく燃焼しないんだ」
「体重を減らすには、ケトジェニックダイエットしかないよ」
「リンゴ酢を飲めば、新陳代謝が高まるよ」

 こうしたセリフを聞くたびに、私は思わず笑ってしまう。これらの意見の真偽のほどは定かではないが、大事なポイントはそこではない。

 大事なポイントは、私たちがいつも些細なことばかり議論したがるということだ。

 体重を減らす上で必要なことは2つしかない。食べる量を減らす、そして運動量を増やすということだ。

 それ以上の行動が必要なのは、一流のアスリートたちだけだ。ところがこの単純な真実を受け入れて行動に移す代わりに、私たちはトランス脂肪酸や効果が定かではないサプリメントに夢中になり、ダイエットには「ホール・サーティー」か「パレオ」かといった些末な議論ばかりをしたがる。

「些末な議論ばかりして行動できない人」になってはいけない

 同様にお金に関して、ほとんどの人は次の2つのうちのいずれかのパターンに陥る。

 何も学ぼうとせず罪の意識を感じるか、もしくは具体的な行動には移さず、金利や地政学リスクなどを議論して、些末な経済事象ばかりに気を取られるかだ。

 いずれにせよ、全く成果を生むことはない。

痩せられない人とお金を増やせない人に共通する1つの口グセダイエットとパーソナル・ファイナンスの共通点

(本原稿は、『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』からの抜粋です)

ラミット・セティ

ウェブサイト「I Will Teach You To Be Rich」を運営し、お金やビジネス、心理学について幅広い読者に向けて情報を発信している。これまでにThe New York Times、Fortune、The Wall Street Journalなど多くの経済メディアで取り上げられてきた。スタンフォード大学でテクノロジーと心理学を学び、現在は妻とニューヨークに住んでいる。