「アホとの戦いは、時間の無駄」
そう唱えるのは、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎氏だ。
田村氏はシリーズ80万部突破のベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな!』のなかで、アホと向き合う上での処世術を伝えている。不毛な戦いを避けるうえで肝要なのは、アホの行動原理を知ることだ。同書から一部抜粋して解説する。
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ここで想定するアホとはどんな人物だろうか?一言で言えば、あなたがわざわざ戦ったり、悩んだりする価値のない人間である。そして不条理な人物である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりして絡んで、自分の価値を上げようとする人物だ。
あなたにしつこくアタックしてくるアホの特徴は、まず暇であること。暇に加えて、これはあなたが知らねばならない大事な特徴だが、このアホはあなたに強い関心がある。しつこく嫌なことをやってきたり、言ってきたりする人は、実はあなたに興味があり、かまってほしかったりする。つまり、あなたに振り向いてほしいから理不尽なことを言ってくるのだ。
表向きは気付いてはいないかもしれないが、深層心理では多分あなたが好きだ。嫌いというケースもあるだろうが、深層心理では、好きも嫌いも、強い関心があるということで同じである。あなたがアホだと思うくらいだから、その人物の実力を認めていない。しかし、それなりにあなたの未来に影響力を持っている場合がある。だからあなたは気にしてしまう。本書では、そんな人物のことを想定している。