「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

【急増中】40代、50代の転職における致命的な欠陥Photo: Adobe Stock

50代で待ち受ける分岐点にて人生が決まる

 人生を左右する選択のときは、一生のうちに少なくとも3回、皆さんの前に訪れます。

 1回目は社会人になるとき。人生の前半戦の流れは、このときにほぼ決まりました。

 2回目は結婚するとき(もしくは、生涯独身を選ぶとき)で、プライベートや家族のことが、ほぼ決まりました。

 そしてサラリーマンの場合には、50代で3回目の選択のときを迎えます。「勤め先一筋」か。「転職チャレンジ」か。「一国一城の主」のいずれかを選ばなければなりません。

 どれを選ぶかであなたの人生の後半が決まります。

「勤め先一筋」の生き方では危ない

 終身雇用だった頃は、定年まで勤めあげるのが当たり前でした。親世代の生き方を見るとわかりますが、大半が「勤め先一筋」の道を歩んでいました。

 しかし、社会構造が変わってしまったので、「勤め先一筋」という生き方には、修復できないほどのガタがきています。船に例えるなら、老朽化してサビだらけになった大型船。いつ沈むかわかりません。

 55歳で役職定年になり、第一線から退き、60歳からは非正規雇用でスタッフ扱いされます。そんな身分にあわせて55歳で収入が2割減り、60歳で半分に減って、65歳には無収入です。

 それなのに今後、年金受給年齢が70~75歳へと徐々に引き上げられます。

 居場所は徐々に狭まり、雇い止めとなる65歳頃には、家にも職場にも居場所がないことに気づくでしょう。諸先輩の愚痴に耳を傾けると、かつて経験したことのない「屈辱」が自分にも訪れると想像できます。

増え始めた「転職チャレンジ」組

 NHKによると、転職する40代~50代が増加しているそうです(*1)。転職する中高年たちは10年前と比べて、45歳以上でおよそ1.3倍、65歳以上でおよそ2倍に増えたとのこと。

「勤め先一筋」という大型船は今後さらに老朽化が進みますが、救命ボートがありません。それを見越した先見の明のある人たちが、続々と下船し始めたのです。乗り換え先の1つが転職です。「転職チャレンジ」は、船に例えれば小型船ですが、第一線で活躍できる可能性が一気に高まります。

 しかし、「転職チャレンジ」という船にも1つだけ、致命的な欠陥があります。それは、年齢制限があるということ。どんなに元気であっても、65歳で下船を強いられます。年金受給年齢の引き上げが続く中での下船は、「下流老人」の仲間入りを意味します。

「一国一城の主」になれば、やりたい放題

 そこで脚光を浴びたのが、独立して「一国一城の主」となる生き方です。船に例えるなら、自分のヨットの船長になるわけですから、年齢制限はありません。「やりたいこと」を好きなときに好きなだけやれるし、仕事と遊びをミックスすることだって可能です。プライベートカンパニーを使えば、家族と一緒に愉しみながら働けるし、家業と財産とを相続税なしで子々孫々へと引き継げます。

 独立(プチ起業)はハードルが高いと思われがちですが、サラリーマンとして真面目に働いてきた人にとっては朝飯前です。本業のほかに2つ目の稼ぎ口を作る「稼ぎ口二刀流」を使えば、事前に予行演習できるので、リスクもありません。働いたことがない主婦でもプチ起業できるほど、今はネットなどの環境が整っています。

 一番向いている人は、経験豊富なミドルとシニアです。数字を見るとよくわかります。

 中小企業庁が発表している中小企業白書によると、起業する人に占めるミドルとシニアの割合は増加の一途を辿っています。40歳以上のミドルとシニアだけで、2012年に起業家全体の7割を超えました。特に60歳以上のシニア起業家が急増していて、全体の35%を超える最大勢力にのし上がっているのです。

100歳になったつもりで人生を振り返ろう

 あなたは間違いなく、約5割の確率で100歳前後まで生き続けます。そこで、100歳になったつもりで、自分の人生を振り返ってみてはいかがでしょうか?

 たとえばもし「勤め先一筋」か「転職チャレンジ」を選んだとしたら65歳で「雇い止め」になりますが、その後の35年間をどのように過ごすと思いますか?

 近所で見かけるお年寄りを観察すれば、自分の老後が見えてくるはずです。私が知る範囲では、元気なお年寄りは図書館や公園などでよく見かけます。でも、働かない人は急速に老けるので、やがて引きこもり老人になって、週に数度のデイサービスを繰り返す余生まっしぐらです。それも1つの生き方かもしれませんね。

 もし「一国一城の主」を選べば、65歳以降も自分のペースで働き続けられます。クルーズなど長期の海外ツアーに参加すると、起業独立した老夫婦とご一緒することが多いのですが、100%活き活きしていて、とても若々しく見えます。

 私が銀行員だったころ、ライオンズクラブに3年ほど参加したのですが、会員さんの半分程度はシニアの経営者で、やはり皆さん活き活きされていました。

 ビジネス番組にもシニアの経営者が数多く登場しますが、実年齢よりも10歳以上、若く見えますよね。「ポツンと一軒家」(テレ朝系)などに登場する高齢者も、生涯現役のせいか若々しく見えます。

 さて、これらを踏まえて、100歳になったつもりで自分の人生を振り返るとしたら、あなたはどんな人生を振り返りたいですか?

 振り返りたいと思った人生が、あなたに最も相応しい生き方です。潜在意識を信頼して、理屈よりも直感で選んでみてはいかがでしょうか。

*1 転職する40代~50代が増加 現実は?未経験の仕事に挑戦する人も

**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。