「自分をいじめた同級生の活躍を知ってしまい苦しい…」。そんな内容の人生相談がネット上で話題となった。共感が集まった理由は、多かれ少なかれ似た思いを味わったことがある人が多いからではないだろうか。期せずして昔の知り合いの情報が入ってきてしまいやすい時代に、心を守る方法はあるのか。(フリーライター 鎌田和歌)
自分をいじめた同級生が華々しく活躍していたら
「憎まれっ子世にはばかる」ということわざがある。人に嫌われるくらいの子どもの方が、社会の中でうまく世渡りをして幅をきかせる……といった意味だが、実際に「あるある」と感じる人も多いだろう。
これがたとえば、学校になじめず、いじめられがちだった子どもが大成するのであればスカッとする話なのだが、逆にいじめっ子が華々しい成功の階段を駆け上がることもある。
先日ネット上で話題になった人生相談は、まさにそういう話だった。
AERA dot.に4月18日に掲載された、鴻上尚史さんに寄せられた人生相談がそれだ(参照『自分をいじめた同級生がメディアで活躍していることを知り苦しいと訴える37歳女性に、鴻上尚史が「悔しいですよね」と声をかけ、勧めたこととは』)。
内容をかいつまんで紹介すると、相談者の女性は小学校の頃に同級生の女子からいじめにあっていた。そのいじめのリーダー格だった2人が、1人はテレビ局の制作部部長、もう1人は有名ファッション誌の副編集長になって活躍しているというのだ。
相談には「働く女性のお手本として誇らしげにメディアに登場している彼女たち」ともある。
「いつまでも昔に囚われてウジウジメソメソしている私に喝を入れていただけませんでしょうか?」という相談者に対して鴻上氏の回答は極めて優しく、「喝なんか入れる必要はないですよね」「よく我慢しました、よく頑張りました」とねぎらっている。