くら寿司Photo:Diamond

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場70社超、23業界の月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度のすしチェーン編だ。

くら寿司と「鬼滅の刃」のコラボ再び…
スシロー、かっぱ寿司との業績格差はさらに開くか

 すしチェーンの主要3社が発表した2023年3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)の既存店売上高
 3月度:同87.4%(12.6%減)

◯くら寿司の既存店売上高
 3月度:同97.8%(2.2%減)

◯かっぱ寿司(カッパ・クリエイト)の既存店売上高
 3月度:同116.6%(16.6%増)

 3月度において前年同月比の既存店売上高の増減率が最も高かったのはかっぱ寿司(116.6%)だ。最も低かったスシロー(87.4%)とは29.2ポイントもの大差がある。

  同じ「回転すし」業界でここまで差が広がっているのは驚きだが、新型コロナウイルス感染拡大前の実績と比較した実態値を見ると、全く違った世界が見えてくる。特に注目なのが、くら寿司と人気アニメ「鬼滅の刃」との関係性だ。