破天荒かつ礼儀正しい芸人とは
私の知る限り、破天荒かつ礼儀正しい芸人の良い例は野性爆弾の「くっきー!」こと川島くんです。彼はNSC入学当時、鋭い眼光に頭には剃り込み、加えて腰にはチェーンが10本以上もぶら下げられていました。歩く度にカチャカチャと音を立てて、それは不気味な風体でした。
「危なそうなやつやな、大丈夫かこいつ?」と思いながらも、講師としてなめられてはいけません。内心ビビりながらもネタ見せの際に「お~い、チェーン、カチャカチャうるさい。ネタに関係ないねやったら邪魔やから外せ」と指摘しました。「反抗的な態度を見せたらどう対処しよう」と不安に思っていると、川島くんは「はい」と素直にチェーンを外したのです。
その後も話をするときは完璧な敬語とまではいかないまでも「業界の先輩」としてきちんと私を立てて丁寧に話をしてくれます。「いかつい」外見、「変わったネタ」とは裏腹に川島くんは実に常識人です。それが先輩芸人やスタッフからも好かれる大きな理由なのでしょう。