PTAの旧態依然とした組織風土に苦しめられているのは保護者だけではない。PTAのT、すなわち教職員も「強制参加」「会費の強制徴収」などに苦しめられている当事者なのだ。中には「退会しようとしたが、校長に止められた」「『加入は必須』と間違った説明を受けて会費を引き落とされ、少額訴訟を起こした」という教員も存在する。短期集中連載「大塚さん、PTAが嫌すぎるんですが…」の番外編では、世間にはあまり知られていない「PTA活動における教職員の負担」について徹底解説する。(ライター 大塚玲子)
保護者だけでなく「教職員」も
PTAに苦しめられている
今回注目したいのはPTAの「T(Teacher)」です。「PTA=保護者」と思っている方、多いですよね。でも見てください、「PTA」って真ん中に「T」が入っています。PTAは教職員、つまり先生や職員さんたちも会員になれる団体であり、保護者だけの団体ではないのです。
余談ですが、時々見かける「PTA不倫」なんていう記事も「ほほう」と読んでみると、単に同じ学校の保護者同士の不倫で、PTAという組織そのものとは一切関係なかったりします。PTAはあくまで団体の呼称なのですが、「保護者」の代名詞と思われていることも多いようです。
実際、PTAで活動するのはほぼ保護者ですし、会長になれるのも保護者だけなので、PTA=保護者と思う人が多いのも無理はないのですが。実はそうではないという。
でもこの状況、筆者はいろいろとひっかかるところがあります。
まずひとつには、教職員も保護者と同様、強制加入がよくあること。学校によって強制の度合いや対象はまちまちですが(職員さんは対象じゃないことも)、本人の意思を確認せず会員扱いして会費を集めていることが少なくありません。
「給与の引き落とし口座から会費が勝手に引き落とされている」なんていう話も、まあまあ聞きます。
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