働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容を一部公開します。
妻がしてくれた神対応とは?
私が短期間で9つの資格をとれたのは、自分に合った勉強法を発見できたことだけが要因ではありません。大きな支えになったのが妻の存在です。
当時はまだ子どもがおらず、2人での生活でしたが、私が仕事と受験勉強を両立し始めたことでかなり気を遣わせてしまいました。私が妻に一番感謝しているのは、受験生である私に対して「寛容」に接してくれたことです。
受験生を持つご家族の方から、「どんなサポートをしてあげればいいのか?」という質問をよくいただきます。
大切なのは「何かしてあげること」ではなく、「どう接するか」のほうです。
ある日、私が仕事を終えて帰宅したとき、仕事と勉強のストレスでイライラの頂点に達していた私は、夕食を一緒に食べる気になれず「夕食は食べない」と妻に告げました。妻はごく普通に「うん、わかった」といい、1人でご飯を食べ、私は自室で勉強をしていました。
勉強が少し前進したことで、気持ちも少し落ち着いてきました。時刻はすでに12時を回っており、妻はもう寝ていました。私の集中を切らすまいと、静かに1人でベッドに入ったのでしょう。小腹がすいてキッチンに行くと、蓋のしてある鍋がありました。あけてみると野菜たっぷりのカレーが入っていて、とてもいい匂いが漂い、その瞬間私はハッとしました。
妻の優しさに深く感謝する
実はそのカレー、私が今朝仕事に行く前に「今日はカレーが食べたい」とリクエストをして作ってもらっていたカレーだったのです。私の健康を気遣ってニンジンや玉ねぎなど野菜がたくさん入っていました。私は、自分で頼んでわざわざ作ってもらっていたカレーを、イライラしながら「食べない」と言ってしまっていたのです。
妻はそんな私に対して「だってあなたが作ってって言ったんでしょ!」と正論をぶつけることなく、「うん、わかった」と優しく「寛容」に接してくれたのです。
私はそれを認識したとき、妻への感謝の気持ちがこみ上げてきました。
翌日、私は妻に深く謝りましたが、妻は「1日寝かしたから、今日のほうがおいしいかも」と笑顔で接してくれました。
私は心から妻に感謝しました。
このエピソード以外にも、受験生時代ストレスがたまってイライラすることも結構あったと思いますが、妻はそんな私に対して言い返したりするのではなく、子どもをあやすかのような目線で優しく「寛容」に接してくれました。
このときの心境を後になって妻に聞いたら、「受験生はイライラするのは当然だから、試験勉強の期間中はある程度のことは受け入れて普通に接しよう」と思ってくれていたそうです。
本当に感謝しかありません。
妻はイライラしがちな私を受け入れ、私はそんな妻に感謝する。私にとって非常にありがたい関係性を作れたことが、短期間で9つの資格試験に合格できた一番の要因だと思います。
(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を編集・抜粋したものです)
働きながら3年で、9つの資格に独学合格!
はじめまして、棚田健大郎と申します。この度、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を上梓します。私は、働きながら3年で、次の9つの資格に独学合格しました。
行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、ビジネス法務エキスパート®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士、敷金診断士、シニアライフ・相続アドバイザー
勉強が得意だったわけではなく、最終学歴は専門学校です。ただ、すべての試験に一発合格できたわけではありません。最初に取得した宅建士は、試験勉強をしっかりしたにもかかわらず、一度落ちています。
1年間がんばったが不合格。その理由は?
当時、サラリーマンだった私は毎日の仕事が忙しく、スクールに通って勉強時間を確保するのが難しかったので、独学合格を目指していました。帰宅後、毎日3時間勉強していたのですが、合格点に1点足りずに落ちてしまったのです。
1年間勉強して落ちたときの心境は言葉では言い表せません。すべてを否定された気がしました。これだけの時間をつぎ込んでも合格できないのは、根本的にやり方が間違っていると思いました。勉強法を見直すことにした私に、ある1つの考えが浮かびます。
「暗記さえできれば合格できる」
不合格になるのは、答えを間違えているから。その原因の多くは、答えを導き出す知識を覚えていないからです。勉強したことを試験日まで「絶対に忘れないようにするしくみ」を作れば、必ず合格できます。
そして試行錯誤の末、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』が誕生しました。やることはいたってシンプル。覚えたことを忘れないように、「忘れる一歩手前で思い出す」のです。その進捗管理に、私が考案した「大量記憶表」を使います。
「紙1枚勉強法」のメリット
・一度覚えたことを絶対に忘れない
・スケジュール管理ができ、学習効率が大幅アップ
・「見える化」により、モチベーションがとぎれない
この勉強法を確立してからは、9つの資格をたった3年で合格できました。この勉強法は、資格試験だけでなく、大学受験や公務員試験、その他のあらゆる勉強にも応用可能です。
働きながらでも、時間がなくても絶対大丈夫!
資格取得に興味が出てきた人に立ちはだかるのが「時間がない」という壁です。仕事に追われている会社員や家事に追われている人が、「じゃあ、資格の勉強してみようかな」と思っても、「1日数時間も時間がとれない。ましてや、スクールに通う暇なんてない」と思うでしょう。
でも絶対大丈夫。仕事や家事と試験勉強の両立は可能です。私自身、最も仕事が忙しい時期に、市販の問題集と参考書を使った完全独学で、9つの資格をとりました。何とか合格したいと思い、
・過去問の徹底活用(参考書は補足教材)
・1日2~3時間の勉強時間を無理なく確保できる「耳学」
・短時間でも勉強の質が高くなるモチベーションマネジメント
こうした工夫も行いました。あますところなく紹介しますので、「忙しくて勉強時間を確保できない人」でも完全独学で合格できます。この本を読んで実践すれば、必ず結果はついてきます。
今、あなたの前には「日々の忙しい仕事」「勉強時間の確保」という大きな壁が立ちはだかっていますが、それはほんのちょっとした「しくみ」で突破できるのです。
試験直前に効くノウハウも満載!
本書では私が実践してきた、
・試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・試験当日に一気に点数を伸ばす10のテクニック
・3年間で9つの資格をとった同時受験ノウハウ
これらも紹介しています。すべて「働きながら」「完全独学」「一発合格」には欠かせません。
本書は私にとって初めての著書になります。この本を読んだ人が、勉強によって人生を変えることを強く願い、心を込めて書きました。私の持てる全知識を出し惜しみすることなく公開することを、ここにお約束します。
本書の主な内容
序章 働きながら9つの資格をとった理由
第1章 紙1枚でできる「忘れさせない大量記憶法」
・紙1枚とペンでOK! 大量記憶法の進め方
・過去問は「点」ではなく、「面」で理解する
・記憶メモリーを有効に使う「覚え歌」暗記法
第2章 「ながら学習」で大量記憶! 耳学をマスター!
・超効率学習「耳学」の2ステップを公開!
・耳学に慣れると、解答スピードがアップする!
・「目に入れて覚える」しくみを作ろう
第3章 三日坊主を撃退するモチベーションマネジメント
・勉強はモチベーションが9割
・がんばりすぎず、「やる気貯金」をためよう
・「勉強期間は1年」という考えを捨てる
第4章 試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・6か月前「覚えるより、忘れないを重視する」
・2か月前「手持ちの問題集を完璧にする」
・2週間前「復習を怠らず、自力模試を行う」
第5章 試験当日に点数を伸ばす10のテクニック
・三種の神器を会場に持参する
・ケアレスミスを防ぐ○×チェック法
・ワンブーストで「見直し時間」を確保する
第6章 私の資格試験体験記――同時受験のススメ
・最大のメリット「記憶の維持」がラク
・同時受験の勝率を上げる3つのポイント
・「本命試験が後の場合」の試験攻略法