働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容の一部を特別公開します。

「忘れる前に思い出す」が最強の記憶法である。魔法のシートを公開!Photo: Adobe Stock

「忘れるタイミング」をなくせば、絶対忘れない!

 私は「どうやって知識を覚えるか?」に焦点を当て、試行錯誤していましたが、そもそも覚えることはできていました。

 例えば、「宅地造成等規制法で知事の許可が必要になるのは、切土(きりど)2mを超え、盛土(もりど)で1mを超える場合」という知識を勉強した場合、少なくともその日の夜までは覚えています。

 ところが、翌々日にその知識を問う問題をやってみると、「あれ、切土と盛土、どっちが2mだっけ?」と、知識が曖昧になってしまうのです。そして1週間後には、ほぼ完全に忘れてしまいます。つまり、覚えられないのではなく、覚えた知識を忘れてしまうのが問題だったのです。

 多くの暗記法や記憶法は、考案者の学力や学歴が高く、その人の実体験にもとづくものです。私のような「勉強が苦手な人」にはあまり合わなかったのでしょう。

 そこで私は、自分に合う記憶法を見つけるべく、ありとあらゆる資料を調べ、そしてある記憶法にたどり着きました。

突破口は「落語」にあった

 それは「落語の記憶法」です。落語家の方は、とても長い落語を暗記されていますね。「どうやって覚えているんだろう」と気になったのです。

 落語家の中には勉強が苦手な人もいるはず。それでも長い落語を暗記できるのは、何か秘密があるのではないか。そう考えた私は落語家について調べ、そして、ある興味深い動画を見つけることができました。

 それは、落語家の立川談笑(たてかわだんしょう)さんが落語を覚える際に実践している記憶法を紹介する動画です。

 落語をいきなり全部覚えるのは難しいので、落語を一定の段落ごとに分割し、小分けにします。この小分けにした落語を徐々に覚えていくのです。

 1日目、小分けにした落語を徹底的に覚えます。
 2日目、1日目に覚えた落語を思い出し、覚えていることを確認したうえで、次の小分け部分を暗記します。
 3日目、1日目と2日目に覚えた部分を復習し、覚えていることを確認したうえで、次の小分け部分を暗記します。

 前日覚えた部分を翌日に復習して思い出す。そして記憶が定着してきたら徐々に復習する間隔を長くしていく。すると最終的には、月に1回思い出せば忘れなくなる状態まで記憶に定着します。