「デリスキング(リスクの低減)」は西側政府の対中戦略を表す最新の流行語だ。「デカップリング(切り離し)」ほど大げさな表現ではないが、基本的な考え方に大きな違いはなく、主要テクノロジー製品を中心に製造において中国への依存度を下げることを指す。地政学と商業上のニーズに押され、製造の中国離れはさらに勢いを増しそうだ。テクノロジー業界で「メード・イン・チャイナ」現象の恩恵を最も享受しているように見える米アップルでさえ、サプライヤーに対して、インドなどへの移転をこれまで以上に積極的に働き掛け始めている。ただ中国内の製造拠点を一部でも移転させるには、現実には気が遠くなるようなさまざまな問題がある。幸運なことに、大手ハイテク企業が中国から製造部門の大半を首尾よく移転させた顕著な例が少なくとも一つある。スマートフォン分野でアップルと競い合う韓国の世界的な電子機器メーカー、サムスン電子だ。
「脱中国」はサムスンに学べ メーカーの成功例
サムスンは現在も中国でかなりの事業を行っているが、スマホ生産事業は何年も前に中国から撤退した
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