「渋滞王」の異名を取る阪神高速・3号神戸線が5月19日から6月7日まで19日間、終日通行止めになる。リニューアル工事になぜ19日間も要するのか、阪神高速道路を取材したところ、老朽化の切実な現状が浮き彫りとなった。(乗り物ライター 宮武和多哉)
「渋滞王」の阪神高速・3号神戸線が
19日間も通行止め!事情を会社に直撃!
「3号神戸線は、魚崎を先頭に、月見山を越えて○kmの渋滞~」
関西でクルマを運転するドライバーなら、ラジオの交通情報でこのフレーズを聞いたことがある人も多いだろう。大阪~神戸間を東西に結ぶ「阪神高速・3号神戸線」(以下、神戸線)は、全国6都市の都市高速における渋滞ランキング(国土交通省調べ)で、上り・下りとも1位や2位を占めることが多い、いわば「渋滞王」ともいえる存在だ。
その神戸線が、老朽化対策のリニューアル工事に伴い、2023年5月19日午前4時から6月7日午前6時まで、19日間にも及ぶ終日通行止めになる。しかも今回、通行止めとなる京橋ランプ~摩耶間(約4.2km)は、神戸線の中でもとりわけ利用が集中する区間だ。
神戸線は22年4月にも、芦屋~摩耶間で10日間にわたるリニューアル工事・通行止めを実施している。が、今回の通行止めは端的に言うと「前回以上に手ごわい」。今回の対象区間は神戸市の心臓部である中央区三ノ宮に近い地域で、かつ期間が3週間弱にも及ぶからだ。期間中は一般道や周辺の高速道路でかなりの渋滞が予想され、工事を実施する阪神高速道路株式会社は、「クルマの利用を控えて」「迂回(うかい)ルートの利用を」と呼びかけている。
さて、今回のリニューアル工事は、なぜ19日間もの期間を要するのか。阪神高速道路に聞いてみたところ、「やむを得ない」「今しかない」という状況が浮き彫りとなった。