日本の道・道路がわかる雑学名古屋市の100m道路・久屋大通 Photo:PIXTA

道をたどれば、歴史と文化が見えてくる。地理・地図研究家の浅井建爾氏の文庫新刊『日本の道・道路がわかる雑学』からの一部抜粋で、知っているようで知らない、日本各地の道にまつわる意外な事実、トリビアを紹介していく。

道路の広い都市といえば
真っ先に挙がるのが「名古屋」

 道路の広い都市というと、多くの人がまず名古屋を挙げるだろう。「名古屋の印象は?」という質問に対して、返ってくる答えで一番多いのも「道路が広い」だという。確かに、名古屋の道路は広く感じられる。

 軍需工場の多かった名古屋は、戦災で市中心部のほとんどが焦土と化したため、大胆な都市計画が実現できたという理由もあるだろう。100m幅の道路が市街地の中心部を南北に貫いており、片側4車線、5車線の道路が縦横に走っている。ほかの都市ではあまり見られない光景である。では本当に、名古屋は日本一道路の広い都市なのか。実はそうではないのである。