道をたどれば、歴史と文化が見えてくる。地理・地図研究家の浅井建爾氏の文庫新刊『日本の道・道路がわかる雑学』からの一部抜粋で、知っているようで知らない、日本各地の道にまつわる意外な事実、トリビアを紹介していく。
江戸時代の五街道の起点が
今も受け継がれている
遠くへ出かけたとき、行先の方向や距離、路線名などが表示された案内標識に助けられた経験のある人は多いだろう。もっとも、現在はカーナビという文明の利器に頼っている人が多いが、青地に白文字で目的地や通過地までの距離、方向などが記されている案内標識は、道に不案内なドライバーには強い味方である。
では、この標識に表示された距離数だが、どこまでの距離を表しているのだろうか。たとえば「東京まで50km」の標識があったとき、東京のどこまでが50kmなのか。それがわからなければ案内の意味がない。