志進ゼミナール塾長である小杉拓也氏が2013年に刊行した『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック』(ダイヤモンド社、下記の※を参照)は、4万5千部を超え、ベストセラーとなった。そして、同氏が2022年12月に刊行した『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』(同社)は、すでに41万部を突破し、現在も怒涛の売れ行きを見せている。
二作とも「学校では習わない暗算法」を扱ったものであるが、大人、子どもを問わず「暗算法」の価値が見直されているのではないだろうか。本記事では、ビジネスでも役立つ暗算法の価値に焦点をあてる。
『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方』は、ダイヤモンド・オンラインの有料会員登録をしていただくことで、電子ブックとして読むことも可能です。

仕事ができる人が会議中、ひそかに使っている計算テクニックPhoto: Adobe Stock

ビジネスで今日から使える暗算法を紹介!

まずは、先述した『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方』から、ビジネスですぐに使える暗算法を紹介しましょう。次の問題をみてください。

(問題)次の□にあてはまる数を、暗算で答えましょう。
前期の営業利益は8千万円だったが、後期は□%アップして、1億1千万円で着地した。[制限時間 10秒]

□にあてはまる数を求めていきましょう。
1億1千万円=11千万円なので、8(千万円)から11(千万円)に、何%増えたかを考えていきます
11-8=3なので、3÷8を計算して百分率に直せば、□が求められます。
3÷8=3/8で、「3/8=0.375」であることを知っていれば、□に入る数は、(0.375×100=)37.5%であることがわかります。

分母が4や8の分数の、小数への変換はよく出てきますので、改めて確認しましょう。

・分母が4の分数
1/4=0.25 3/4=0.75

・分母が8の分数
1/8=0.125 3/8=0.375 5/8=0.625 7/8=0.875

これらをおさえておくことで、先ほどのような計算を瞬時にすることができます。ひとつの方法として把握することをおすすめします。

現在、全世代に広がりつつある「19×19までの暗算法」とは?

小学生から大人まで大反響の『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』で紹介されているのが、11×11~19×19までの計算ができる「おみやげ算」という暗算法です。さっそく、その計算法について説明します。

(例)18×16=

①18×16の右の「16の一の位の6」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×16が、(18+6)×(16-6) =24×10(=240)になります。

②その240に、「18の一の位の8」と「おみやげの6」をかけた48をたした288が答えです。
まとめると、18×16=(18+6)×(16-6)+8×6=240+48=288です。

この2ステップで、例えば、14×14、13×15、17×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。

会議中にパパッと暗算できて損はない!

例えば、会議で「1600人の13%」を求める必要があったとしましょう。そんなとき、スマホの電卓を使うより、暗算でパパッと「208人ですね!」と計算できて損はないのではないでしょうか。

「1600人の13%」を求めるためには、1600×0.13(=16×13)の計算が必要です。「16×13」は「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」なので、おみやげ算を使って、次のように計算できます。

①16×13の右の「13の一の位の3」をおみやげとして、左の16に渡します。すると、16×13が、(16+3)×(13-3) =19×10(=190)になります。

②その190に、「16の一の位の6」と「おみやげの3」をかけた18をたした208が答えです。「1600人の13%」は208人ということですね。

おみやげ算に慣れれば、「1600人の13%」を5秒以内に暗算することも可能です。さまざまな計算法がありますが、おみやげ算を、そのひとつに加えてみるのはいかがでしょうか。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。そのために、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。