吉野家Photo:Diamond

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界を上回る月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする。今回は、2023年4月度の牛丼チェーン編だ。

吉野家、すき家、松屋に見えない格差
「圧倒的な勝ち組1社」はどこ?

 牛丼チェーンの主要3社が発表した23年4月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯吉野家(吉野家ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:同107.6%(7.6%増)

◯すき家(ゼンショーホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:同122.0%(22.0%増)

◯松屋(松屋フーズホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:同111.6%(11.6%増)

 4月度において、今回取り上げている3社全てが前年実績を超えている。

 しかし、実は吉野家・すき家・松屋の間には、この数字だけでは見えてこない「格差」がある。さらに各社の月次データを時系列で確認すると、「圧倒的な勝ち組1社」があることも判明した。

 その1社を示すヒントは「23年2月に値上げが話題になった牛丼チェーン」だ。3社とも22年後半から23年にかけて値上げを実施しているが、これで分かったあなたは牛丼通だ!“推し”の牛丼屋かどうか、早速確認してみよう。