半導体をめぐる米中の覇権争いは先週末、急展開を見せた。半導体業界のベテランである日本がその恩恵を受ける可能性がある。ただし、それは他の構造的問題を解決した場合に限られるだろう。米国の半導体構想を悩ませている問題でもある。半導体製造に携わる技術系人材の不足や高い人件費といったことだ。米半導体大手マイクロン・テクノロジーに関して報じられた二つの大きなニュースは、チャンスと一部の阻害要因を併せて浮き彫りにした。中国は21日、マイクロンの製品が国家安全保障に重大なリスクをもたらすとして、主要な情報インフラへの同社製品の使用を禁止した。中国は2カ月前にサイバーセキュリティーの観点から同社の調査を開始。これは中国の半導体セクターに対する米国の規制強化に対抗する動きだと広く受け止められた。先週末に広島で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)で厳しい対中姿勢が示されたため、マイクロンに対する中国の判断が悪い結果につながることはほぼ確実視されていた。