衆院本会議で施政方針演説を行う高市早苗首相=2月20日 Photo:SANKEI
2026年春闘本格化、「二つの焦点」
高賃上げの裾野拡大と実質賃金プラス化
2026年春闘は2月18日、自動車大手の労働組合が経営側に要求書を提出するなど、労使交渉が本格化している。
労使ともに賃上げの必要性についての認識は共有しており、今年は経団連が「ベースアップ実施の検討を『賃金交渉におけるスタンダード』に」とまでうたっている。
もはや賃上げは当然という状況で、正社員の賃上げ率が2年連続で5%台となった25年春闘までの流れが継続しそうだが、焦点は賃上げの裾野がどこまで広がるのか、さらには、先送りされてきた実質賃金のプラス化を実現し、定着の足掛かりとなるのか否かだ。
賃上げの裾野については、中小企業にどこまで賃上げが広がるか、人材確保の重視でこれまで若手中心だった高賃上げが中高年層にも賃上げの動きが広がるかだ。
大手企業は2年連続で「連合」が要求する5%を上回る賃上げを実現しており、若手・中堅の絶対的な人手不足を背景に人材確保策として賃上げの旗を降ろすことはできず、今年も5%台を確保する可能性は高い。
問題は雇用の7割を占める中小企業だ。大手と比べ経営体力が弱い企業も多い。また中高年については企業の雇用余剰感は根強く、若年層との賃上げ格差は拡大している。
実質賃金については、高賃上げが続いていたなかで、食料品などの物価の上昇がそれを上回る状況のなかで、プラス化が先送りされてきた。
今年は物価上昇率の鈍化が見込まれ、昨年並みの賃上げが維持されれば、プラス化する可能性はあるが、食料品価格の高騰の背景には、世界的な食料供給の不安定化のほかに、日本の場合は円安の加速がある。
中期的なプラス化定着には、国内農業供給力の強化などの構造問題への対応が必要であり、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」の役割が重要だ。







