先週末にかけて広島市で開かれた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は異例だった。それは今回の会議が重要だったからだ。毎年開催されるG7サミットのほとんどは、すぐに忘れられる空虚なイベントだ。外交官やアドバイザーらが延々と交渉した末に採択される会議のコミュニケ(声明)が、各国の政策や世界の出来事に大きな影響を与えることはめったにない。サミットの最も重要な機能は、税金を使った記念撮影の場で政治家たちが「世界の指導者」としていいところを見せる機会を提供することに加えて、各国の首脳に非公式な話し合いを通じて互いを品定めさせることだ。G7の影響力の低下は、世界の序列に重要な変化が起きていることを反映している。世界銀行によると、カナダが1976年にサミットに加わった際、G7各国は合わせて世界の国内総生産(GDP)の62%を占めていた。その割合は今や44%に低下しており、さらに下がり続けている。
【オピニオン】G7議長国日本、世界を指導
中ロ巡る課題の中、インド太平洋が欧州に代わり国際政治の中心に
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