20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
東京農業大学はどんな雰囲気?
3つのキャンパスに学生たちが散らばる「学部割れ大学」。農学部は厚木キャンパス、生物産業学部はオホーツクキャンパス、それ以外はすべて、世田谷キャンパスに通う。
世田谷キャンパス
農大のメインキャンパス。最寄りは世田谷の小田急線経堂駅と千歳船橋駅。経堂は「高級住宅街」のイメージがあるものの、物価もそこそこで気軽に入れる飲食店が多く、学生には馴染みやすいだろう。駅からは住宅街を抜けて徒歩約15分という道のり。
だが、途中までにぎやかな商店街をたどっていくので「あまり長さは感じない」という。近所に住む学生の自転車通学も多い。キャンパスは緑も豊富でゆったりとしている。ビニールハウスや展示温室など、農大っぽい施設もちらほらと見かける。2019年には地上8階、地下1階の新研究棟「農大サイエンスポート」が完成した。広い人工芝のグラウンドや野球場、テニスコート、アリーナなどスポーツ設備も充実した、活気あふれるキャンパスだ。
厚木キャンパス
「緑豊かな公園キャンパス」がテーマの農場一体型キャンパス。小田急線本厚木駅からバスに揺られて約15分。周りは田んぼで、用水路にはドジョウが潜み、飛翔するキジをはじめ、アナグマ、タヌキ、ハクビシンなど野生動物の目撃情報も珍しくない。キャンパス内にも馬、ブタ、ヤギ、カピバラ、ウサギなどが飼育されている。「疲れた時、ストレスがたまった時は畜舎にいる動物たちに癒やされに行く」という人も。講義棟や研究棟、整備された各種農場施設などは、最新の設備を施している。2019年には実験実習棟が完成。
北海道オホーツクキャンパス
北海道は網走にあり、スケールは桁違い。近くにはオホーツク海、知床があり、雄大な自然に囲まれた環境だが、冬は極寒となることを覚悟したい。地域密着の方針により生産から加工、流通までの一環した流れを実学できる。ある意味、一番農大らしいキャンパスだろう。国内の大学では唯一、ビール醸造が許可されている。ホタテ漁やクジラの解体、農家でのアルバイトも経験できる。エミューやエゾジカの飼育も学生が行う。