米国がデフォルト(債務不履行)に陥る「Xデー」が急速に近づいている。ジャネット・イエレン米財務長官によれば、早ければ6月1日にも起きる可能性がある。米議会が既に承認した支出を支払うのに、新たに必要な債券の発行を許可する限りは米国の借り入れ能力に問題は生じない。だが、ホワイトハウスと共和党が主導権を握る下院との間で合意が成立する見込みは、依然として際どい状況にしか思えない。もしデフォルトに陥れば、米国人が大変な痛みを伴うことはほぼ間違いなく、国外にも大きな影響を及ぼすだろう。また世界の金融を予測しがたいさまざまな形に作り変える可能性がある。中でも二つの結果をもたらす公算が大きい。第一に、米国債に対する外国からの需要が永続的に打撃を受けかねない。第二に、米国の財政上の制約が強まれば、対外的な安全保障へのコミットメントを控えざるを得なくなるだろう。この1年の優良銘柄の一つだった外国防衛企業の株は、当初のパニックが鎮まれば、上昇が一段と加速する可能性がある。