給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

成長著しいゲーム業界における有望市場とは?Photo: Adobe Stock

eスポーツやメタバースで
ゲームビジネスはさらに飛躍する可能性

 eスポーツはゲームを競技として行うもので、すでに世界中でさまざまな規模の大会が開催され、市場規模は世界で1000億円程度にまで急成長しています(2022年現在)。

 またゲームはYouTubeなどで他の人がプレーしている様子を中継する番組が人気コンテンツの1つになっており、「する」だけでなく「観戦する」ものとしても定着しています。

 メタバースは、インターネットの巨大な仮想世界です。参加者は、仮想世界で動作するユーザーの分身であるアバターを通じてその世界に入って活動します。5Gの普及とVR(仮想現実)、AR(拡張現実)の技術が発達したことで、メタバースの世界が一気に拡大し始めています。

 メタバースの中では人々が交流したりゲームをしたりするだけでなく、現実と同じように会議をしたり、ショッピングをしたり、コンサートなどのイベントが開催されたり、まさに「もう1つの世界」がそこにあります。

利用者が1億人を超える「億ゲー」も複数登場

 ゲーム会社は、仮想世界を作り上げてその中でキャラクターを動かす技術を磨いてきており、メタバースでも力を発揮できる企業が多そうです。

 今大きな流れとなっているクラウドゲームは、クラウド上に巨大な仮想世界を作り、その中に同時に何十万人、何百万人もの人がインターネットを通じてアクセスしてゲームをします。まさに、メタバースといえる世界がすでに展開されています。

 クラウドゲームはアメリカ勢や中国勢が先行しており、利用者が1億人を超えて「億ゲー」と呼ばれるゲームもいくつか出てきています。

 マイクロソフトはXboxを手掛けるなど、もともとゲーム事業に力を入れていますが、2022年には「億ゲー」の1つである「コール・オブ・デューティ」を運営するアクティビジョン・ブリザードを8兆円という額で買収することを発表しました。

 また、フェイスブックはメタバースを主力ビジネスにする方針を打ち出して社名もメタ・プラットフォームズに変えました。ゲーム業界はこのように巨大IT企業も巻き込んで非常に大きな成長トレンドの中にいます。

 業界がどのような勢力図になるにせよ、面白いゲームや有力コンテンツを保有していること自体が強みになりますので、こうしたトレンドの中で日本の多くのゲーム会社が力を発揮できる可能性を秘めていると思われます。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/