新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、エイチ・アイ・エス、オリエンタルランド、帝国ホテルの「観光/レジャー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
帝国ホテルは8割増に迫る増収
オリエンタルランドも6割増
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の観光/レジャー業界3社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(エイチ・アイ・エスの対象期間は22年11月〜23年1月、他2社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・エイチ・アイ・エス
増収率:37.4%(四半期の売上高461億円)
・オリエンタルランド
増収率:54.7%(四半期の売上高1321億円)
・帝国ホテル
増収率:75.3%(四半期の売上高121億円)
行動制限や水際対策の緩和に伴い、国内の人流も訪日外国人客(インバウンド)も増えてきた。観光需要の回復傾向を受けて、観光/レジャー業界3社はいずれも前年同期比で大幅な増収となった。中でも帝国ホテルは8割に迫る大幅な増収だった。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、詳しく解説する。