新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、オリエンタルランド、帝国ホテルの「観光/レジャー」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
オリエンタルランドが完全復活
帝国ホテルは回復途上
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の観光/レジャー業界2社。対象期間は2022年8~12月期の四半期(2社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・オリエンタルランド
増収率:58.5%(四半期の売上高1470億円)
・帝国ホテル
増収率:38.7%(四半期の売上高131億円)
※エイチ・アイ・エスは会計方針の変更に伴い、前年同期比増減率が非開示のため、掲載を見送った。
いずれも前年同期比で大幅な増収となった観光/レジャー業界2社だが、オリエンタルランドは約6割という驚異的な増収だった。
行動制限がなくなり、訪日外国人客(インバウンド)の入国制限も緩和されたことが増収要因の一つになっていて、2社ともに業績は大きく改善した。特にオリエンタルランドの回復度合いは特筆に値する。コロナ禍の大打撃から完全復活したようだ。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、詳しく解説する。