誰もが学生時代に英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな英語学習者から「最短で英語の表現力をつけるならこれ」「会話で使える用例が半端なく多い」と絶賛の声を集める本がある。『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
serve:「~にお仕えする、奉仕する」がコアイメージ
(1)(飲食物を)提供する、~に給仕する
(2) ~を接客する
(3)(公職・兵役など)を務める、(刑期)を務める
(4) 役に立つ、役目を果たす
動詞のserveは上記のように様々な意味で使われるが、「~にお仕えする、奉仕する」というのがコアとなるイメージ。
飲食物の提供や接客は相手に奉仕するイメージがあるし、公職・兵役を務めることは国にお仕えする行為だ。
また、serve as an office(オフィスとしての役目を果たす)のように「(何らかの形で)役に立つ、役目を果たす」という用法があるが、これも「(役目を果たすことで)お仕えしている」と理解することができる。
同様に、名詞形のservice(サービス、世話、奉仕)やservant(召使い)にも、このイメージが生きているのが見て取れるだろう。
ちなみに、「(テニスなどの)サーブ」は、飲食物の提供と同じく、相手のコートに「ボールをお渡しする」というイメージで捉えておこう。
(1)(飲食物を)提供する、~に給仕する
Breakfast is served between 6 and 10 a.m.
朝食は6時から10時の間に提供されます
(2) ~を接客する
She was serving two customers at a time.
彼女は一度に2人の客に対応していた
◆ 〈serve+飲食物〉、〈serve+相手〉の他、serve me a cup of tea(私にお茶を出す)のように〈serve+相手+飲食物〉という使い方もある
Are you being served?
ご用件を承っていますか?
◆ 直訳は「(他の店員から)接客を受けていますか?」
The tickets will be given out on a first-come, first-served basis.
チケットは先着順で配布されます
◆ on a first-come, first-served basisは「先着順で」という意味の表現。最初に来た人が、最初にサービスを受けるということ
(3)(公職・兵役など)を務める、(刑期)を務める
Mr. Johnson served three terms as governor.
ジョンソン氏は知事を3期務めた
He refused to serve in the Army.
彼は兵役を拒否した
The man served six years in prison.
その男は6年の刑期を務めた
He became the first serving U.N. chief to visit Hiroshima.
彼は広島を訪れた最初の現職の国連事務総長になった
◆ servingは「務めている」から「現職の(= sitting、incumbent)」の意味でも使う
(4) 役に立つ、役目を果たす
The large room also serves as my office.
その大きな部屋は、私のオフィスにもなる
◆ serve as ~で「~の役目・機能を果たす」
If my memory serves me right, I met him two years ago.
私の記憶が正しければ、彼とは2年前に会っている
◆ if (my) memory serves me right/correctlyで「私の記憶が正しければ」。直訳は「記憶が私に正しく役立つなら」
“She dumped me.” “Serves you right! You never treated her well.”
「彼女に捨てられた」「自業自得だ! 大事にしていなかっただろ」
◆ (It) serves 人 right.で「人にとって自業自得だ」。直訳は「人に対して正しく役目(=当然の報いを与えること)を果たしている」
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)