新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はSGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
佐川急便は大幅に減収
利益面は両社ともに苦戦
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界2社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(2社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・SGホールディングス(佐川急便)
増収率:マイナス24.4%(四半期の営業収益3190億円)
・ヤマトホールディングス
増収率:マイナス3.9%(四半期の営業収益4047億円)
物流業界の主要2社ともに減収で、特にSGホールディングスは2割超の大幅な減収となっている。コロナ禍の出口が見え始め、経済活動が活発になってきたにもかかわらず、なぜ物流2社の業績に急ブレーキがかかっているのか。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、各社の業績について詳しく解説する。