夏が始まると、大学新卒者やインターン学生が職場に姿を現し、自らの名を上げようとする。中には入社前からすでに名を知られた人物もいる。経営者の成人した子どもたちだ。彼らを迎えるとき、同僚たちはついうめき声を上げてしまう。「上役の子どもが職場に来るのにワクワクする人を見たことがない」。ソフトウエア、建設などの業界で人事部門の採用担当者として働いてきた米オハイオ州シンシナティ在住のサラ・ロペス氏はそう話す。ロペス氏によると、社長の子孫がドアから入ってくると、少なくとも一時的に職場の士気は下がり、お粗末な履歴書に周囲はあぜんとすることが多いという。上司の成人した子どもと一緒に働いた経験がある人は、たとえ彼らが適格者だとしても、どれだけ多くの他の有力候補者が十分考慮されずに終わったのかを考えざるを得ないと話す。また自分たちの昇進の機会が減ることも心配だという。社長の子孫であっても平社員から始めるかもしれないが、最初からリーダー教育を受けるのではないだろうか。
「親の七光」が職場にやって来る夏
幹部の子どもが新卒やインターンで働き始めると、職場の空気は気まずくなる
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