トヨタ自動車の今年の年次株主総会は、長らく同社を率いてきた豊田章男会長の電気自動車(EV)戦略の是非を巡る対決の場となりそうだ。他の自動車メーカーに比べ、同氏のEV戦略は慎重ともいえるものだった。株主総会を14日に控え、米ニューヨーク市会計監査官事務所やカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)、複数の欧州系資産運用会社などの株主は、豊田氏を含む数人の取締役の選出にすでに反対票を投じたか、あるいは投じる予定だと述べている。理由の一つに企業統治の問題を挙げる一方、全車種のEV化に反対している豊田氏に異議を表明するためでもあるという。ニューヨーク市会計監査官のブラッド・ランダー氏はインタビューに応じ、「トヨタは同業他社のようにタイミングよくEVへの移行を進めることができていない」と発言。「移行が進んでいる、また同社が全車種EV化に向けて意味のある前進をしていると納得させてもらいたい」と述べた。
トヨタ会長に株主が「反旗」 EV戦略納得せず
EV慎重派の豊田氏の取締役再任に米欧のファンドなどが反対
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