また始まった。2015年のイラン核合意をまとめたのと同じ顔触れが今度は、将来の約束と引き換えに初めからイランに資金を渡すという内容の新しい合意を実現しようとしている。米国とイスラエルの報道によると、具体化しつつあるこの合意は、ジョー・バイデン大統領が約束した「より持続的で、より強力な」合意ではない。同氏はそうした合意案を何カ月にもわたり提示したが、イランは拒否した。バイデン政権は現在、姿勢を大きく後退させ、イランが核兵器保有の瀬戸際に立つものの、それ以上進むことは認めないという暗黙の「理解」を目標にしている。イランは、濃縮度を60%まで高めたウランを、幾つかの核兵器を製造するのに十分な量確保しており、その濃縮度を早期に兵器級に引き上げることが可能だ。しかし、米国はイランに濃縮ウランの引き渡しを求めてはいない。報道で取り上げられた合意は、制裁免除を通じてイランの財政を支援するとともに、同国が新たな制裁や国際原子力機関(IAEA)からの非難を受けることはないと約束する一方で、イランに対して、60%を超えてウランを濃縮しないことのみを求めるものだ。
【社説】バイデン氏、核問題で再びイラン懐柔へ
2024年の大統領選後まで問題の持ち越し図る
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