結婚を考え始めた会社員のオ・ヘリムさん（29）はこれからかかるであろう多額の費用を思い、いら立った。指輪はささやかなものにして、結婚式の会場は手頃な料金のところを探すつもりだった。ただ、かなえたいぜいたくが一つあった。高級ホテルでプロポーズされることだ。韓国では人口が減少し、結婚が必要だと考える人も減る中、婚姻数が過去最少にまで減少している。豪華なホテルでの手間――と金――をかけたプロポーズをカップルに迫る流行は、おそらく婚姻数にプラスに働いていない。「みんなホテルでのプロポーズがいいと思っている」とオさんは言う。「全ての女性の夢です」オさんの恋人が選んだのは高級ホテルのシグニエル・ソウル。同ホテルが販売するフラワーデコレーションとシャンパン付きの「永遠の約束」プランは最低価格が1泊1200ドル（約16万8000円）だ。オさんは恋人が用意したバラの花びらとキャンドルの写真を撮り、それから今度は「Marry Me（結婚して）」の文字をかたどったバルーンの前で花束を手にポーズを取った。脇にはネックレスが入ったティファニーの青いショッピングバッグが置かれていた。オさんは未来の夫に高級時計を贈った。