米バイデン政権のインド太平洋地域における外交にとって、この1週間は素晴らしい週になっている。インドのナレンドラ・モディ首相がワシントン訪問の準備を進める中、両国の当局者は、協力の強化で重要な合意に達したことを示唆した。一方、アントニー・ブリンケン米国務長官の訪中は限定的だが着実な成功を収めた。中国の習近平国家主席は、米中間のハイレベル協議が正しい軌道に戻っていることと、世界の2大国の関係安定化についての関心をバイデン政権と共有していることを示した。米国と再度関わるという習氏の決断は、インド太平洋地域にとどまらない場所で中国の優位性を再度主張するという同氏の長期的な目標の放棄を意味しないものの、重要である。ブリンケン氏は、技術の輸出や対外投資に制限を課したり、中国の前庭にある国々との防衛関係を強化したりするといったバイデン政権の政策を後退させなかった。習氏がブリンケン氏と会談したことは、中国共産党がバイデン政権に方向転換を迫るために、ことあるごとに米国との関係を凍結したり、米国と対立したりするのではなく、嫌々ながらも新たな現状を受け入れつつあることを示している。
【オピニオン】インド太平洋の新現実を受け入れた中国
習・ブリンケン会談、限定的だが歓迎すべき緊張緩和の兆し
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