ロシア軍に動員されたルスラン・アニチンさん(30)は、小型爆弾を投下するウクライナの無人機(ドローン)に狙われていた。彼は何時間ものあいだ狭い塹壕(ざんごう)の中を登ったり降りたりして逃げ回った。5月9日、日が暮れ始めると、頭上でブンブン音を立てる小型の機械を見上げた。喉がカラカラに渇き、疲れ果て、独りぼっちだった。アニチンさんは腕を上方で交差させ、両手を握りしめ、ドローンのカメラに向かって爆撃をやめるよう懇願した。数キロ離れたウクライナ東部の都市バフムトの近郊にあるウクライナ軍第92機械化旅団の指揮所では、彼の顔がスクリーンに映し出された。パブロ・フェドセンコ大佐は他の将校らと協議した上で、ドローンの操縦士に無線で命令を出した。
ドローンに命乞い、ロシア兵投降の一部始終
30歳の動員兵が投降するまでの悲惨な道のり、ウクライナ軍のドローンが映像に記録
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