処理水放流の反対署名活動も
扇動政治の様相
民主党は今週中に「汎国民署名運動100万人突破報告会」を開催するなど、党の力の結集に全力を挙げている。5月26日から始まった処理水放流反対署名運動には6月18日現在、オンライン・オフライン合計で100万人以上の人が参加したということが19日、党最高委員会で報告される予定である。
半面、東亜日報は「(処理水放流反対集会への)出席率が低調な中、各地域委員会の署名運動の広報横断幕の個数を把握し、さらに署名運動出席人員数を増やすため、市道別に、実績に対する圧力を加えている」という野党関係者の発言を引用した。
韓国では、民主党を支持する層が、国民の30%ほどいる。こうした人々にオンラインを含めて署名活動を行えば、100万人を集めることはそれほど困難ではないだろう。署名活動に何人参加したかではなく、特定の政党を支持しない中間層が集会にどれだけ参加したかが、国民の処理水放流反対の実際の姿だろう。
韓国国民はデマ政治に
動かされやすいのか
韓国では、処理水の安全性について懐疑的な見方が多い。読売新聞と韓国日報が共同で行った世論調査では、「東京電力の福島第一原発汚染水(処理水)の放射性物質を希釈した後、海に放出するという日本政府の決定に賛成か」という質問に対し、韓国人は83.8%が「反対する」と答え、「賛成する」は11.9%にとどまった。一方、日本人は「賛成する」が60%、「反対する」は30%で、日韓両国民の認識に大きな違いがあった。
韓国国民にすれば、処理水がタンクにたまっても自国のことではないので、このような質問を受ければ「反対」と答えるのは自然のことである。それは処理水の危険性について考えた上での回答ではなく、民主党のデマに踊らされた回答にすぎないだろう。
「処理水放出の危険性がどの程度あるか知っているか」という質問があってしかるべきではあるが、韓国の世論調査会社は左派系が多く、客観的な調査が行われているか検証する必要がある。
なお、同じ調査において、現在の日韓関係が「良い」と回答した人は韓国で43.5%と、昨年より25.9ポイント上昇した。処理水問題だけは「デマ政治」の副作用が強く残った結果である。いずれにせよ、処理水の問題に焦点が当たっても韓国国民は反日になっていないことは注目すべきである。