ビジネスの現場では、人前でハキハキと話せる「社交的な人」が有利だと思われがちです。しかし、台湾出身で、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャン氏の世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(神崎朗子訳)によると、「内向的な人」こそ、冷静さ・思慮深さ・協調性といったビジネススキルを兼ね備えているといいます。
内向型の生まれ持った強みを肯定し、勇気づける本書には、「目からウロコの内容に感動した」「自分らしく生きていけばいいと気づけた」と日本中から絶賛の声が集まっています。
今回は、読者から寄せられた仕事や人間関係の質問に対する、チャン氏の回答を公開します。(構成/根本隼)

本当に頭のいい人が「人前で話すとき」に必ず守っているルール・ベスト1Photo:Adobe Stock

Q. 人前で話すのが怖いです

読者からの質問 「内向型」という特徴を強みにしたいのですが、どうしても人前で話すのが怖いです。プレゼンや講演の前に、どのような準備をしていますか?

「ひたすらリハーサル」がマイルール

ジル・チャン氏 私は、注目を浴びるのが嫌いで、大勢の前で話すのも苦手です。講演やプレゼンというのは、まさにそうした場なので、慣れるまでにはかなりの時間がかかりました。

 人前で話す恐怖をなくす方法はたった1つ。それは、本番に向けた練習をひたすら繰り返すことです。

 私の経験をご紹介します。以前、仕事上とても重要なプレゼンがあったときのことです。プレゼンの持ち時間はわずか7分だったのですが、その7分のために、1か月のあいだ毎日何時間も練習をしました。

 何をしたかというと、どんなに緊張しても自動的に口が動くように、自分のセリフをすべて書き起こして頭にたたき込み、徹底的にリハーサルをやったんです。それだけ練習を積むことで、自分のなかにプレゼンの内容が完全にインプットされたので、当日は自信を持って登壇することができました。

 その後も、同じような成功体験を繰り返していくうちに、聴衆がいかに多くても、相手がどんな重要人物であっても、しっかり計画を立てて練習を繰り返せば、必ず結果がついてくるという確信を持てるようになりました

 内向型なのであれば、他の人よりも多くの時間を準備に割いて、「完璧だ」と思えるまで練習しましょう。