2つ目は、●「加工語が似すぎていて視覚ではまったく同じに見える」。これも構造分類から考えると納得頂けるはずです。この典型が(16)海のもずくで、同じ海のネタで意味まで近いから音で聞いても、あれ?ダジャレ?となるぐらい。僕、気付かれなかったこと数知れず。あと、気付かれても、妙に整合性があって、不思議な空気がその場に漂い笑いにつながらないという超欠陥ダジャレです(笑)。

 他に、(12)おじやギャグ、(14)アリとキルギス、(15)キッシュ・ディスペンサー。どれ見ても、長い文章中にあったら、かなりの確率で気付きませんよ。特に(15)は「ャ」がないだけに加えて文字数も多いので完璧。すばらしい近似性! あと、(12)の、構造分類、入れ替え系4種「倒置」による錯覚も、とても味わい深いと思います。

 これら、視覚によって認識しにくいものでも、話せば通じてしまうのがダジャレというクリエイションが「総合芸術」と言わしめる(僕に)理由です。「記号的構造思考、発音、コミュニケーション」が三位一体となって完成していく。文楽の三要素「大夫、三味線、人形遣い」と似ていると常々考えています。このあたりは追ってお話しするとして、発音についてを。

このタイプでは
「発音」が肝に

 発音でコントロールするからダジャレとわかるわけですね。抑揚、アクセントなど、素材語、加工語のもっている音を当てはめ、つなぎ部分をあえて明確にすることで、それがダジャレであると、相手に伝わります。

 キッシュ・ディスペンサーならば、食べ物のキッシュ発音のままで差異部分<ッ>を強調目にはっきり大きく言えばクリアになります。同様に、おじやギャグなら<お・じ・や>とカット気味にして強調。

 僕がしょっちゅう使ってる、盛りあがり寿だと<もりあがり>を<しりあがり寿>と言うのと同じにすれだけで、スパッと伝わりますよ。速水横道も同じく<よこみち>でOK。ダイアモンド図解ならば、<ずかい>が普通は後ろが上がるところを、<ユカイ>と同じく下げる。こういうことですね。

 文字や音でわかりにくいもの以外は基本、「文字でも音でもすぐに伝わる」ものなわけですが、そこにも度合いはあります。ということで最後に、そのパターンの典型的な実例を挙げてみます。やはり僕が大好きで使うものの中から。会話でもメールやツイッター、フェイスブックなどでもまず滑りません。

●断念B組金八先生(三年)
●ベルサイユのバラ肉
●セロリ途中下車の旅(ぶらり)
●パクチ桃山時代(安土)
●ALWAYS 三丁目の有斐閣(夕日)

 というあたりで今回はここまで。次回以降もダジャレ研究を、蝶のように舞い蜂のようにヴィダル刺すーん、と極めていきます。

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<参考サイト>

■石黒謙吾さん「ダジャレのススメ」:鴻上尚史と岡本玲のサンデーオトナラボ
★声も聴けます。
http://www.1242.com/program/otona/2011/05/1853.html

■トレンドキャッチ! - 編集長インタビュー『ダジャレ ヌーヴォー』
http://homepage2.nifty.com/INandOUT/ishiguro-s/ishiguro-s.html

■イシブログケンゴ「ダジャレ商品開発」
http://www.blueorange.co.jp/blog/archives/category/product-joke

■イシブログケンゴ「ダジャレ部」
http://www.blueorange.co.jp/blog/archives/category/joke