いつも他人と比べてしまう」「このままでいいのか、と焦る」「いつまでたっても自信が持てない…」。仕事や人生に悩んでしまった時、どう考えればいいのでしょうか。『機嫌のデザイン』の著者であり、数々の名言がTwitterで話題となった、プロダクトデザイナー・秋田道夫氏の「毎日を機嫌よく生きるためのヒント」を紹介します。

「自分の機嫌を自分でとれる人」が「服装を雑にしない」理由Photo: Adobe Stock

服装は出会った人へのプレゼント

自分で自分は確認できないですよね。

鏡を見てもそれが本当に自分なのか分かりません。

じゃあどうやって自分を確認するかといえば「他の人と会った時」に自分が何なのかが分かると思っています。

「服装は出会った人へのプレゼント」だといっているのですが、それはおしゃれな人と会うと「自分もおしゃれな人に感じる」し、「おしゃれな人とお話をしている自分が誇らしく思える」作用があるからではないかと思っています。

服というのは自分がどういう人であるかの視覚的メッセージがあります。

さりとて派手である必要はまったく無くて、シンプルな服装をしていてもメッセージはあると思います。つまり、服は公共的なコミュニケーションになり得ると思います。

服は着ている自分には見えず、まわりの人には見えるもの。景色ですね。

景色としての自分。

友人が面白い表現をしたことがあります。

「人は服やクルマにはお金をかけるけれど、生活家電や生活雑貨にはお金をかけようとしない。なぜなら家の中のものは人に自慢できないから」と。

なるほどと思いました。たしかに、どんなにいい冷蔵庫や高機能の洗濯機を買ってもわざわざ表に出して自慢するのは難しいですね。

とはいえ世の中が変わってSNS、とくにInstagramの「インスタ映え」という言葉を借りれば、家の中にある冷蔵庫も洗濯機も大いに「人に見せて自慢できる」時代ですから、お金のかけどころが「分散」してきたかもしれないですね。

ようは他人から見られるものに、人はお金をかけるということですね。

ちょっと話がそれましたが、おしゃれも「常に」とか「いつも」というのが大事かなと思っています。つまりよそ行きと普段着のギャップを減らすことです。

わたしはひょっとすると、最近では家や事務所にいる時の服装のほうが「よそ行き」よりもいいものを着ているかもしれないぐらいに逆転しています。

(秋田道夫著『機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方』から一部を抜粋・改変したものです)