ロシアの民間軍事会社ワグネルにより、ウラジーミル・プーチン大統領が築いた体制の予想外の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した。過去数十年で最大の政治危機から一夜明けた同国では、カギを握る政府当局者らが姿を見せず、今回の混乱が収束したのかロシア国内だけでなく世界で疑問が広がっている。  2万5000人の重武装部隊を抱えるワグネルやその創設者エフゲニー・プリコジン氏に加え、ワグネルがモスクワへ素早く進軍することを阻止できなかったロシア軍司令部の今後に関しても、大きな疑問が残る。