米司法省と連邦捜査局(FBI)の当局者は昨年8月、フロリダ州にあるドナルド・トランプ前米大統領の邸宅「マールアラーゴ」を捜索するにあたり、機密文書の取り扱いを巡る捜査がこれを正当化するかどうかで意見が分かれていた。今月、前大統領を37件の訴因で起訴するよう大陪審に求めるという、さらに大胆な決定を検察が下したとき、疑問を呈する当局者は前回より少なかった。潮目を変えたのは、捜査当局が2月頃に確認した音声などの証拠だった。それは約2年前、マールアラーゴから遠く離れた場所で行われた集まりの録音だった。事情に詳しい関係者が明らかにした。この決定的な証拠と、捜査に対するトランプ氏の対応を記した弁護士のメモが、これを刑事事件として進めるよう検察の背中を押したと関係者は話す。昨年末にトランプ氏が弁護士の助言に従って協力する姿勢を示していれば、この前例のない措置は避けられたかもしれない。
トランプ氏起訴、音声録音が検察の背中押した
米前大統領の機密文書取り扱いを巡る捜査と訴追、録音された会話が重要な役割
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