「最低やな!」松本人志は激怒した…〈3人目のダウンタウン〉が回想する1989年の絆Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images

4月に吉本興業の会長を辞し、6月29日の株主総会を経て退社する大﨑洋さん(69)。駆け出し時代のダウンタウンの才能を見出し、ブレイクへと導いたことで「3人目のダウンタウン」とも称される大﨑さんが、著書『居場所。』(サンマーク出版)を上梓した。

7万部突破の話題作から、大﨑さんとダウンタウンとの知られざるエピソードを一部抜粋、再構成してお届けする。

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大人になると友達は減る

「学生時代の友だちは、かけがえのない存在」

「本当に心を許せるのは、昔ながらの友だち」

 これは本当によく言われることで、「ずっと友だち」は尊いとされています。

 学校の先生からして「友との出会いを大切にしよう」なんて真顔で言いますし、韓国ドラマでもアニメでも、深い絆で結ばれた親友は、「ガキの頃からの長いつきあい」と決まっています。

 確かに、その通りと思える話ではあります。

 なぜなら、大人になって仕事をしたら、利害関係のあれやこれやが出てきて、「俺たち親友だ!」とはなりにくい。さらに会社の同僚は、同じ釜のメシを食べているのにライバルとして競争させられることもあります。

 また、大人になると友だちは減っていきがちです。

 学生の頃は一緒にアイドルの追っかけをし、好きなことも楽しいこともピッタリ合っていた親友同士が、いつの間にか疎遠になる。子どもがいる専業主婦と、シングルで働く女性という具合に立場が変わると、話も合わなくなり、連絡も取らなくなったりする……。

 だから、「若いうちに本当の友だちをつくっておかないと!」と、強迫観念じみた焦りが生まれるんだと思います。