新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はデンソーやブリヂストンなどの「自動車部品/産業車両」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
自動車生産が回復
3社好調
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車部品/産業車両業界3社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(3社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・デンソー
増収率:17.2%(四半期の売上収益1兆7656億円)
・ブリヂストン
増収率:17.1%(四半期の売上収益1兆435億円)
・豊田自動織機
増収率:23.7%(四半期の売上高9123億円)
自動車部品/産業車両業界の主要3社では、全社が前年同期比で2桁増収となった。また、デンソーの23年3月期通期の業績で売上高・営業利益が過去最高を更新した上に、ブリヂストンは第1四半期として初めて1兆円を超える売上収益を記録するなど、軒並み好調だ。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、直近四半期の業績について詳しく解説する。