ストレス対策には考え方を変えるのが有効とわかっていても簡単なことではない。行動から変える実践的な方法を試してみよう。
仕事の憂さを晴らそうと暴飲暴食し、ある日、わが身を鏡に映すと立派な中年体形――ストレスはメタボリックシンドロームの大きな要因の一つだ。
また、ストレスは、老化の原因である活性酸素の発生も促す。健康と若さを保つうえで、ストレスコントロールはとても重要だ。
では、どうすれば多忙なビジネス生活のなかでストレスをためずにすむのか。筑波大学大学院人間総合科学研究科の坂入洋右准教授は、次のように説明する。
「方法は3つある。第一はストレスの原因をなくす。第二はストレスをストレスと思わない自分に変える。第三にイライラした気持ちを切り替えストレスを断ち切る」
具体的には、第一では、職場の人間関係などビジネス環境がストレス原因になることが多いから、それらを排除する必要があるが、現実的ではない。第二の方法は、カウンセリングなどでおなじみの「考え方を変える」という認知療法だが、誰にでもできる方法ではない。
そこで坂入氏が勧めるのが、第三の方法。実際には、「体を動かすことで、気持ちを切り替え、ストレスを断ち切る」というものだ。
たとえば、上司から文句を言われたらストレスになる。だが、その後、「くよくよしないで次の仕事でがんばるぞ」と考えられれば深刻化はしない。問題は、いやな気分を抱えてしまうことだ。心ない言葉が頭の中でリフレインし、仕事が手につかない。夜もよく眠れない――こうなるとストレスが毒になる。大切なのはストレスを引きずらないようにその場で解消することだ。