中国新興電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)は2017年当時、「テスラキラー」と呼ばれていた。同年に発表したスポーツタイプ多目的車(SUV)が、洗練されたデザインに大型パネル、音声アシスト機能を備えつつ、値段は米テスラの「モデルX」の半額だったためだ。NIOは今、世界最大のEV市場・中国の熾烈な価格競争下で多くの自動車メーカーが直面する課題の見本となっている。同社は販売減が数カ月に及び、値引きや投資削減、現金燃焼への対応を迫られている。NIOの李斌(ウィリアム・リー)最高経営責任者(CEO)は今月、直近2四半期の販売不振で営業キャッシュフローが圧迫され、流動性リスクを慎重に管理する必要があると述べた。同社はニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している。