インドネシアの至る所で、新たな工場が電気自動車(EV)用電池に利用するための大量のニッケル鉱石を処理するようになっている。5年前、そうした施設は一つもなかった。何が変わったのか。中国企業に突破口があった。中国企業は、かつて扱いにくかった精製プロセスを改善することで、ニッケル需要が多いEV業界向けにインドネシアの広大な鉱床を開発できるようにした。こうして、世界最大の供給元に成長したインドネシアのニッケル資源に対する中国の支配権は確立した。このことは、エネルギー移行に欠かせない鉱物の確保に向けた世界各国の競争で中国を後押しする一方、自国企業の対中依存を減らそうとする米国の取り組みにとっては打撃となっている。米バイデン政権はエネルギー供給網(サプライチェーン)の多様化を強力に推し進めている。しかし、ニッケルに関して言えば、中国企業の支配力が強まっている。
世界最大のEVニッケル供給源、中国が支配
インドネシアの電気自動車向けニッケル鉱石、HPAL技術で中国企業が開発進める
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