電気代高騰には公的な補助金で対抗

 省エネ家電購入への補助は、元来は地球温暖化対策として省エネを推進する目的だったが、今は電気代高騰を受け、生活支援の色も帯びている。

 税金を納めている以上、利用できる補助金は利用し倒したいものだ。

 他にも、国は「住宅省エネ2023年キャンペーン」として三つの補助事業を打ち出している。

(1)子育て世帯が省エネ性能の高い住宅の取得・リフォーム改修などを対象とする「こどもエコすまい支援事業」
(2)現住宅の窓の断熱性を高める工事を対象とする「先進的窓リノベ事業」
(3)高効率給湯器導入を補助する「給湯省エネ事業」

 補助額は、「こどもエコすまい支援」の場合、新築一戸建てなら上限100万円、リフォームは工事内容などに応じて5万~60万円。「先進的窓リノベ」は工事内容に応じて5万円~200万円。給湯器の補助は設置する給湯器に応じて1台当たり5万円または15万円となっている。使えるならぜひ使うべきだ。

 特に、窓の断熱リフォームは冷暖房時の節電に大きなメリットがある。夏は外気の熱の7割が窓から入ってくるといわれ、暖房時には室内の熱を約5割も外に逃がしてしまうという。窓の断熱性が低いと、どんなに冷房を強めても室内がなかなか冷えなかったり、暖房を強めても暖まらなかったりするわけだ。

 また、冬のエネルギー消費の大半を占める給湯部分についても、省エネ性能の高い給湯器を導入する意味は大きいだろう。窓と給湯器の両方に補助金を使うこともできる。

 これらの補助金を利用するには、それぞれの事業に登録している業者に依頼することが必要だ。補助金申請の手続きは登録済み業者が代行する。補助金を利用するための契約期間は、遅くとも2023年12月31日までとしているが、すべて予算がなくなり次第終了となる。2023年7月14日時点の予算に対する補助金申請額の割合は「こどもエコすまい支援事業」が71%、「先進的窓リノベ事業」が戸建住宅で42%、集合住宅で44%、「給湯省エネ事業」が11%とのこと。手続きが後になればなるほど、補助金の支給対象外になってしまう可能性も。なるべく早めの始動がおすすめだ。

 節電の本丸といえば太陽光発電と思っている人も多いだろう。この設備を導入する場合も、各自治体で補助金が利用できることが多い。

 東京都では、オール電化以外の新築住宅で太陽光パネル1kW当たり12万円(上限36万円。3.6kW以下の場合)の助成だが、そもそも導入コストの負担が重いというなら別の方法もある。

 東京都や神奈川県では、初期投資ゼロで太陽光設備を設置する事業にも補助金を出しているのだ。住人ではなく、補助金を受ける事業者が住宅に太陽光パネルや蓄電池を設置する。住人は月額使用料を払って発電した電気を使うことができて、10年または15年など一定期間終了後、設備は無償譲渡されるという仕組みになっている。自分で設置するにしろ、事業者の定額プランを利用するにしろ、使える補助金はしっかり使いたいものだ。手持ちのお金を減らさないためにも、アンテナは広く立てておきたい。