日経平均がバブル後最高値を更新した。だが、「将来のお金の問題が不安だ」「投資が大切だと漠然とわかっているが、なかなか行動に踏み切れない」「貯金や投資を始めてはみたものの、自分の方法が正しいかどうか確信が持てない」──そんな悩みを抱えていないだろうか? そんな人に朗報がある。
全世界350万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルが「ニックのように、データの真の意味を理解できるデータサイエンティストでありながら、説得力のあるストーリーを語れる人はまずいない。絶対読むべき一冊だ」。全世界1000万部突破『Atomic Habits』著者ジェームズ・クリアーが「お金に関する価値ある知恵と実践的なアドバイスが満載」と強力ダブル推薦する注目書がついに日本上陸。
全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。
全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法を初公開。本稿では、本書から一部を抜粋・編集しながら投資を避けている人の代償について見ていこう。

【全米屈指のデータサイエンティストが教える】「ずっと投資を避けている人」が老後に背負うとてつもなく大きな代償とは?Photo: Adobe Stock

『FACTFULNESS』の興味深い研究

 スウェーデンの公衆衛生学者ハンス・ロスリングらのベストセラー『FACTFULNESS(ファクトフルネス)――10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(上杉周作+関美和訳、日経BP)にある、国の発展を理解するうえでの幼児死亡率の重要性についての考察にも同じことが当てはまる。

「私は子どもの死亡率に特別に注目している。(中略)子どもはとてもか弱い存在で、様々な要因で命を落とす。マレーシアでは、1000人当たりの子どもの死亡者数はわずか14人。1000人のうち、986人が生き残る。つまり親や社会は、細菌や飢餓、暴力など、死に至らしめる可能性のあるあらゆる危険から子どもを守ることに成功している。

 この1000人当たり14人という数字は、マレーシアの家庭には十分な食料があり、下水が飲料水にまぎれ込まず、一次医療へのアクセスがよく、母親は読み書きができることを示している。これは単に子どもの健康状態だけではなく、社会全体の質を測る指標なのだ」

 ロスリングにとっての幼児死亡率と、本書で紹介したセーダーにとっての馬の心臓の大きさは、複雑なシステムが一つの正確な情報で簡単に理解できることを例証している。

ほとんどの市場は、
ほとんどの期間、上昇している!

 そして、「いつから投資すべきか」という問題についても、将来の決断の指針となる、たった一つの情報がある。

 投資判断の指針となる情報は、次のとおりだ。

 ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇しているのだ。

 これは、混沌とし、時に破壊的な人類史の中でも変わらない真実である。

 世界的な投資家ウォーレン・バフェットも、次のように雄弁に語っている。

「20世紀、米国は2度の世界大戦や、大きな痛手を被り、多額の費用が必要な戦争をいくつも経験した。

 さらに、大恐慌や、十数回の景気後退期、金融恐慌もあった。

 石油ショックも、インフルエンザの大流行も、不祥事を起こした大統領の辞任もあった。

 それでもダウ平均株価は66ポイントから1万1497ポイントに上昇した」

 この論理は、米国市場だけに当てはまるものではない。

 本書第11章冒頭で触れたとおり、世界中の株式市場は長期的にプラスの傾向を示している。

今できる投資を思い切ってすべき

 こうした経験的証拠は、私たちができるだけ早く投資すべきであることを示唆している。

 なぜなら、ほとんどの市場がほとんどの期間上昇しているということは、投資するのを遅らせれば遅らせるほど、いざ投資するときに高い価格を払わなければならなくなるからだ。

 だからこそ、最適な投資時期を待つのではなく、今できる投資を思い切ってすべきなのだ。

(本稿は『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集したものです)