この夏、新校舎が竣工する早稲田中学校・高等学校。第一志望に良し、難関校の併願先にも良しという絶妙な立ち位置が多くの受験生を集めている

2024年も高止まりの志願情勢

『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング』(ダイヤモンド・セレクト2023年8月号)では、首都圏と関西圏の中学入試に関して、2023年入試の振り返りと24年以降の見通しについても触れている。そこでハッキリしたのが、23年入試はコロナ禍以前に戻っており、中学受験率が史上最高水準になったことだろう。

 現在の小6生は、首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)いずれでも前年比で6000人弱も減少、中でも神奈川や埼玉の減少幅が大きい。普通に考えれば、24年入試は「全体的に緩和傾向になる」と言いたいところだが、実態はどうもそうではなさそうだ。4月の模試受験者数が2%ほど前年同月より増えているからである。24年入試ではさらに中学受験率が上がるかもしれない。

 では、こうした受験生に人気の学校はどこなのか。模試では志望校・入試を具体的にいくつか書くことになるが、その中で第一志望となる学校について、今回と次回で取り上げてみたい。複数回入試を実施する学校については初回入試で選ばれているので、これが4月時点での新たな受験生が行きたいなと思っている学校なのだろうと推察される。

 ここで取り上げた模試は三つある。主に難関・上位校の志望者が多いサピックス、上位・中堅校志望者が集まる四谷大塚、そして中堅校を中心に上位校もうかがう志望者が多い首都圏模試である。この三つの入試での人気具合を勘案して、人気校ランキングを作成した。

 今回は男女別学校である。傾向として、男子校は女子校と比べて難関・上位校の層が厚いので、女子校よりも選択肢が多い。つまり、人気校は分散傾向にある。